気まぐれな魔法使い    
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いたずら

少年時代には、いろんないたずらをしました。
教室の引き戸に黒板けしを挟んで先生を怒らせたり、
溜池に爆竹を投げ込んで魚を取ったり、
大きな蜂の巣に石を投げて村中大騒ぎになったり。

都会の小学生達も、そういう山や川がなくても新しいいたずらを考えます。
「ピンポン・ダッシュ」という遊びをしっていますか?
玄関の呼び鈴を押して家の人が出てくるまでに逃げる遊びです。

ある日のこと、先生は、教室に入ってくると、
僕の席の前につかつかと歩み寄り、思いっきり平手打ち!
「ぱちーん・・・!」
という音が、静かな教室に、大きく響き渡りました。
同級生の視線がいっせいに僕に集中しているのがわかりました。
しばらくの間、沈黙が続きました。
先生は、じっと僕の目を見ていました。
先生の目は怒りに燃えている目ではありませんでした。かなしい目でした。
先生の目を見ているうちに、僕は、自分が何をしてなぜ殴られたのかを、理解しました。
いたずらの領域を越えた悪いことをしたのだということがわかると、自然に涙が出てきました。
そして、先生の悲しみが伝わってきました。
頬は痛くはありませんでした。
殴らなければいけなかった先生の手のほうがもっと痛かったに違い有りません。
本当に心配してくれている先生の気持ちが伝わって来て、
僕の口からはこんな言葉が出てきました。
「ありがとうございました。」



先生へ
あの時の一発は、いまでも心に残っています。
あの事件以来、いたずら小僧は少しはまともに生きているような気がします。
ほんとうにありがとうございました。

05年03月08日

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