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補正は必要ない、礼装ならともかく普段に着るなら自然にその人らしく着たほうがいい・・・・・

そんな補正不要論をあちこちで聞くようになりました。
補正は面倒、補正するから苦しい、補正をしたら自由じゃない、もっと楽に着物を着たいと、すっかり悪者にされているようです。

着付け教室がカリキュラムに組み込んだりオリジナルの補正用具で商売をしたがるのだとか、そんなうがった見方をする必要もないでしょう。
素朴な雰囲気の紬などは補正をしないでざっくりと着たほうが本来の味が出るというのは確かに一理あるとは思いますが。

でも補正は悪いことばかりではありません。
見た目にもきものらしいなだやかなラインが生まれますし、着崩れを防いでもくれます。
タオルなどなら汗取りの効果もあるので襦袢や着物に直接汗がしみこまずにすむかもしれません。

日本人が毎日洋服で過ごすようになってからもう何十年もたちますし、生活様式も食生活も変わりました。
着物を着るのに不向きな体型になるのは当たり前のことです。
バストとウエスト、ウエストとバストの差が20cm、30cm、時にはそれ以上にもなる今の若いお嬢さんの体に補正もせずに帯を巻いたらどうなるでしょう。
色気や自然、その人らしさを超えたシワも生じるでしょうし、何より着崩れしやすくなります。

ウエストにタオルを巻く程度の補正はあったほうがいいと思いますし(不要な人もいると思いますが)、胸元を和装ブラジャーでなだらかにしたほうが良い方もいます。
それ以上の補正、たとえば肩が張っていたり逆になで肩過ぎる場合に脱脂綿をはさんだガーゼを肩にかけるとか、ウエストとバスト、ヒップの差が完全になくなるまでタオルを巻き続けてビヤ樽状態にするとか、といったものはまぁ、普段に気軽に着る分には省いてもいいものかなと思います。
胸の上(肩の下)のくぼみにパットを入れるというのは普段の着物に必要なものではないと思いますが、体型によっては胸元がきれいに収まらない場合や着崩れやすい場合もあるので、普段のきものでも必要という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのあたりを一律で「普段の着物に補正は不要」と断言してしまうのはどうかなというのがこの記事の主旨です。
ガチガチの補正が必要ない年配の方もいれば、適度に補正をしないとかっこうのつかない、日本人離れした体型の若い方もいます。
「きものをよく着る人が補正はいらないと言っていた」という話もよく聞くのですが、その方はものすごくいかり肩だったり、メリハリのきいた体型だったり、鳩胸だったりということはないはずです。
それに街で見かけた人の着物の着方がとてもステキだったという時は、意外ときっちり補正をしている場合が多いようですよ。

杓子定規にきものはこういう体型に補正するのがいい、と決められているのがイヤ、という方も多いと思いますが、逆に体型に関わらず一律「補正は不要」と言い切ってしまうのも同じようなことではないかと思います。

06年06月04日

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