
いかに外すか | |
|
某大学の芸術学科でイラストを教えている先生が若い方のイラストを見て、こんなアドバイスをされていました。
「この顔はわざとぼかして描いているんだと思うけど、しっかり描ける人がわざと崩して描いているのとそうじゃないのとの違いは見る人が見ると分かるんだよ。 今度から顔をきっちり描いてごらん。 きっちり描けるようになってからまたこういうぼかした表現に戻してみるといい」
きもののデザインやコーディネートも同じです。
格や決まりに縛られずに自由にといっても、基本の美しく心地よいバランス・色使いを知っている方があえてはずすのと、基本的なことを知らずに好きなように崩すのとではやはり違います。
きものがブームといわれて数年になりますが、よりおしゃれになったかといえばそうではないかもしれません。 ブーム以前からの従来のきもの美のような部分が否定されてしまう傾向もありますから、食わず嫌いでそうしたものに触れる機会がなかったという方もいらっしゃるのでしょう。 そうした方がたくさんきものの仕事に流れ込んでいるような気がします。
斬新であることや自由であることよりもファッションとして、きものとして美しいバランスや色使い。 心地よく着姿がきれいに見えるコツ。 そうした部分を理解している方のデザインやコーディネートはどんなに外しても、目の肥えた古くからのきものファンからも支持されるように思います。
06年12月02日
 |