南三陸町歌津伊里前福幸商店街の奇跡
フラッグ物語 フラッグの仮設商店街 2012/06/26
始まりは、商店会長さんの一言でした。
「大漁旗をそろそろ返さなきゃいけない。寂しくなるね。」
かつて伊里前には、30店舗以上のお店が有りました。
2011年3月11日の大震災で中心街だった伊里前は全てが流されました。
津波が来た時の用心で避難用バッグを用意していたにも関わらず、エムさんは高台に逃げたとき手に持っていたのは電話機の子機でした。
車で逃げたエスさんは自家用車で逃げたため仕事で使うユニック車を失いました。
ヨシさんは店に居たお婆さんを避難させた後裏山に逃げましたが、津波に追われる様に崖を上り最後には山頂に立っていました。
それから半年が過ぎた12月3日に町民が待ち望んでいた伊里前福幸商店街が出来ました。
今まで以上に活気のある地域にしたいと立ち上がった7人の店主さんが、私財を投げ打って始めた商店街です。
今まで商店街を華やかにしていた大漁旗の代わりになる目立つ旗が欲しい。
「商店街の皆んなでお金を出し合って買おうか。」
「そんな予算はないよ。」
「インターネットを通じてお願いしてみましょう...」
そして、Twitterを通じて呼びかけることになりました。
5月22日ホームページとTwitterで呼びかけが始まりました。
その後、お問い合せメールが届く様になりました。
メールの一部分を紹介させていただきます。
「Twitterを見ました。」
「こんにちは。私は南三陸町出身で、現在は仙台市在住の・・・」
「Jリーグクラブ・ザスパ草津の・・・」
「旗の記事を読ませていただきました。」
「初めまして。私はJリーグ 大分トリニータサポーターBUSTAの・・・」
大漁旗と言うのは寄贈主の名前と船の名前で構成されています。
大漁旗の風習に習って寄贈して頂く旗にお名前を入れてもらう様にお願いしました。
そして、自宅にあった大漁旗、購入して頂いた大漁旗、手作りの大漁旗やJリーグのフラッグが商店街に届く様になりました。
サポーターさんのホームページやブログでも紹介して頂きました。
そして、今。
記事を見てくれた皆さんの熱い応援メッセージの入ったフラッグで商店街は華やかになりました。
コンサドーレ札幌
ベガルタ仙台
仙台89ERS
モンテディオ山形
水戸ホーリーホック
栃木SC
ザスパ草津
浦和レッズ
ジェフユナイテット千葉
FC東京
横浜FC
横浜Fマリノス
アルビレックス新潟
カターレ富山
ツエーゲン金沢
ヴァンフォーレ甲府
松本山推FC
清水エスパルス
京都サンガFC
セレッソ大阪
愛媛FC
大分トリニータ
※J1 J2 BJ JFL 都道府県順
選手のサインの入ったフラッグもあります。
奇跡が起きました。
奇跡が起きました!
奇跡が起きました!!!!!!!
商店街一同の喜びだけではありません。
フラッグが飾られた瞬間、子供達が叫びました。
「あ!ベガルタ仙台だ!」
「あ!浦和レッズも!」
駐車場でサッカーボールを蹴る子供達・・・
中学生や高校生もやって来て
「なんだか凄いね。」
「サインが入ってる!」
大人が、「Jリーグのサイン入りのフラッグがこんなに沢山飾ってある商店街は日本でここだけだよ。」と話すと、
「すげ〜!」
「すげ〜〜〜〜!」
「自慢出来るね。」
「学校で自慢するんだ!」
一番喜んでくれたのは子供達かもしれません。
ご協力頂いた皆様、ありがとうございます。
そして南三陸町歌津伊里前福幸商店街へぜひ遊びに来てください。
華やかな大漁旗、
心をこめて作って頂いた手作り大漁旗、
何枚ものフラッグを一枚に縫い合わせたビッグフラッグ、
万国旗、
J1 J2 BJ JFLのサイン入フラッグ、
等々を、見に来てください。
感動と興奮をありがとうございました。
12/06/24
「南三陸町の仲間たち」より転載
フラッグ物語 フラッグの仮設商店街 2012/06/26