おサイフケータイに屈するか
パスモは千円以上チャージしない。
懐がさみしいせいもあるが、たくさんチャージすると失くした時に悲しい。
決定的だったのは、駅構内のコンビニで100数十円の飲み物を買い、パスモで支払いをした時のことだった。
最寄り駅で降りて改札を通ると、思いもよらない残額が表示されたのだ。
改札を出たところで駅員さんに照会してもらったところ、間違って400円ぐらいの金額がひかれていたことが分かった。
1000円以上チャージしていたら気がつかなかっただろう。
そんなこともあって、ケータイをお財布変わりにするというのに抵抗があった。
クレジットカードには抵抗がない。
サインやら暗証番号やらである程度の安心感がある。
読み取りなどの手口にもそれなりの対抗手段が取られるようになっていくだろうと、なんとなく信頼している。
なくした時もすぐに電話をすれば大事にいたらない。
(至らなかった。)
悪用された場合も使われた場所が分かるし、お店の人もそれなりの対応を心得ているだろうと思うのだ。
以前利用していたお店で、そのお店でだけ使える支払いカードがあったが、残額のあるまま引越した。
社食や売店で使えるカードも、辞めた時にいくらか残っていたなぁ。
どちらももう一度行って清算するつもりだったのに。
ポイントカードだって、そのお店で一生懸命買い物をしても、使わないまま、あるいは端数を残したまま引っ越したり、期限切れになったり、お店がなくなったりするのだ。
エディも会社で何の説明もなく持たされたが、何者か分からずかなりのポイントを逃した。
こうした決済手段をうまく使えていないせいもあるが、新しい決済手段が出てくると、手数料やらセキュリティやら、シェアをめぐっての攻防が頭をよぎってしまう。
きっと最初はお得でシェアも多かったものが、いずれ他の会社のポイントシステムのほうが優勢になったりするのだ。
ほどよくポイントがたまったところで引っ越して使わなくなって、そのままサービス終了になったりするのだ。
無くしたら悲しいし。
ましてやお財布ケータイなんて、いかにも気軽に無防備に使われそうだし、携帯電話なんてすぐになくす人も多いではないか。
トイレに落とす人も多いようだが、お財布ケータイにしている人が必ずしも防水携帯にしているわけではないだろう。
機種変更の時にお財布ケータにできるかどうかという選択肢(制限)が増えるのも嫌だ。
ただでさえも引かれる機種がなくて、いつも消去法で選んでいるのに。
そんなわけで興味のなかったおサイフケータイだが、一度だけお財布ケータイしていていたら良かったと思うことが起きた。
冬の寒い日の帰り道。
コンビニによって飲み物を買って、財布を鞄の中にしまった。
寒いのにうっかり手袋も入れてしまった。
コンビニを出たら電話をしようと思っていたので、幸い携帯はポケットの中にあった。
家に着いて鍵を開けようとしたが、鞄のファスナーに何かはさまっていて、開かない・・・・!!
どんなにがんばっても開かない。
携帯はあるが、夜中に管理会社の人を叩き起こすわけにもいかない。
ファミレスで朝まで時間をつぶすそうにも、財布も出せないのだ。
鞄を切ろうにも、コンビニではさみを買うお金もない。
万一のために鍵はいつも2つ持って出ている。
荷物が多い時に出しやすいように、一つはコートのポケットに入れておく。
しかしこの日は遠出をしたのと、コートのポケットから物を出し入れする機会が多かったから、落とさないように鞄の中にしまっていたのだ。
家に入れない・・・・!!
手袋も鞄の中なので、手もかじかんできた。
この手でファスナーと格闘していたらそのうち血がにじんだりするかもしれない。
駅前の交番に戻り、おまわりさんに助けてもらうことにした。
こういう事情で家に入れない。
明るいところでトライさせてもらいたくて来た。だめならはさみを貸してほしい。
自宅前より明るい交番でファスナーを見ると、何が引っかかっているかも良く見えた。
はさみで切らなくても安全ピンでずらせば取れそうだ。
おまわりさんが安全ピンを貸してくれて・・・・というかそれで引っかかっていた袋をファスナーから引っぱり出してあけてくれた!!
無事家に入ることができて翌日も元気に仕事ができた。
おまわりさん、ありがとう。
税金はあなたのために納めます。
しかしこれ、お財布ケータイがあればファミレスに避難もできた。
そのうちタクシーもお財布ケータイで支払いが当たり前になったら、終電が終わっていても友達の家に行くことができる。
タクシーの運転手さんから諸々の手数料の話を聞いたことがあるから、便利な決済方法が普及するとまた一つ運転手さんの手数料負担が増えるのかと思うのだけど・・・
結論。
いざという時のために、お財布ケータイにコーヒーを飲めるぐらいのお金は入れておくといいかもしれない。
しかし頻繁に使うのはやっぱり控えたい。