一本のバターナイフが気づかせてくれたこと
昔バッグ一個で上京してアパート暮しを始めた時、生活に必要な物が数多くある事に気付きました。
テレビ、ラジオ、冷蔵庫、洗濯機、トースター、茶碗、箸、コップ、フォーク、スプーン、洗面器、タオル、布団、冷暖房器具、等です。
近くに商店街や家電量販店があったので時間をかけて少しづつ必要な物を買いました。
先輩や知人が使わなくなった冷蔵庫とか譲ってもらったこともあります。
必要な物が全て揃うまでにかなり時間がかかりました。
被災した方々も同じように生活に必要な物を少しづつ揃えています。
東京のアパート暮らしと違うのは商店街も被災したため、必要な物をそろえるには内陸の店まで買い出しに行かなければならないことです。
そういう地域に住んでいて、食パンとマーガリン買って食べようとしたらバターナイフが無いと言う出来事がありました。
お店でアイスクリームのヘラをもらってナイフ代りにしました。
その事をインターネットで呟いたら、知人からバターナイフが送られて来ました。
小躍りして喜んでいる自分がいました。
そして、「こんな素敵なバターナイフをもらったんですよ!」と自慢しようとした相手の方も同じようにバターナイフは持って居らず、未だにコンビニのプラスチックスプーンを使っている事に気付きました。
自分が支援する側にいた時に気付かなかった気持ちです。
誰かが支援を受けると妬ましく思い、自分がプレゼントを貰うと後ろめたく感じるのです。
ウォシュレットを仮設商店街に導入する支援をお願いした時には感じなかった気持ちです。
自分のためでもあり皆の利益になる支援をお願いする時はとても気が楽です。
この文章を読んだ皆さん!ぜひ歌津支援センターを応援してください。